お宮詣り

- お宮詣りの由来
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お宮詣りは「生土詣り(うぶずなまいり)」と呼ばれ、子供の誕生を産土の神に感謝し、その子の成長を祈願したという古事に由来しています。
また、かつてはお産は汚れたものだと考えられていたため、別名「忌み明けの祝」ともいい、産婦の忌み明けと、子供の氏子入りの儀式を兼ねていました。
(今日のように「お宮詣り」という呼称が用いられたのは、室町時代(足利義満の時代)からと言われています。江戸時代(徳川家綱の時代)には、お宮詣りの帰途に大老・井伊帰部頭宅へ挨拶に立ち寄る風習が生まれ、それ以来、庶民の間でもこれにならって親類や知人宅へお宮詣りの報告と挨拶に伺う習慣が各地に広がっていったと言われています。)
- お祝着と着せ方
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お宮詣りの祝着は、一般に「一ツ身」とか「熨斗目」と呼ばれ母親の里方から贈られる場合が多いようです。男女児とも反物の巾いっぱいを身ごろに使って背縫いをつけず、袖は丈の長い平袖で、飾りをかねた広い付け紐がついています。
男児には、婚家先の家紋を五つ(背中、両胸、両袖)入れます。柄は強くたくましく育ってほしいとの願いを込めたもの、色は黒、紺、次にグレイ、緑などが多いようです。
女児のお祝い着も選ぶ柄に親の思いを込めます。愛らしい柄が多のはそのためといえます。色は赤、次にオレンジ、ピンクなどがおおいようです。なお、女の子のお祝い着には家紋はつけません。
当日は子供に新調の着物(抱き着)をきせ、フード(帽子)とよだれかけをかけ、その上からお祝着を掛け着として着用します。掛け着のきせ方は、祝着を広げ子供の背中を覆うように掛け、紐の一方を肩側に、他方を脇から通して抱き手の人の背で蝶結びにします。
- お宮詣りの時期と祝い方
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お宮詣りは通常男児は生後30日目から31日目、女児は31日目から32日目に行うのが定説とされています。しかし、地方によっては男児が50日目、女児が51日目のところや男女100日目というところもあります。お宮詣りはまず、子供の健康状態を第一に考え、母体への配慮も十分考えて、天候の良い日や吉日を選んでお詣りされるケースが多いようです。
昨今では、お詣りをすませたあと、親類や知人宅へ赤飯などの内祝の品を添えて挨拶に出向いたり、ご家族で祝いの膳を囲んだり、晴れ着を飾って記念撮影を行うなど、各家庭それぞれの方法でなごやかに祝福されているようです。
- お詣りの仕方
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お宮詣りにでかけるときは、通常は祖母か近親の女性が子供を抱くものとされています。これは産後の母体を気づかってのことと、お産を忌む風習の名残で子供を清めるため、母親以外の女性が抱いてお詣りしたものと思われます。しかし、最近では夫婦でお詣りされるケースも多く、その場合はお母さんが抱かれるのが自然でしょう。
お詣りは神社や氏神様の神前でそろって祈願するだけでもかまいませんが丁寧にされる場合は、事務所に申し出て、神官のお祓いを受け、祝詞をあげてもらいます。
その場合はお礼にはのし袋か封筒にお礼の金額をいれて、表書きに「お初穂料」か「御玉串料」と書き添えて渡します。お詣りの小物には、扇子・お守り袋・でんでん太鼓・いぬ張子などがあります。
- 初着で七五三
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お宮参りの時お使いになった初着を三才の七五三のお着物として使っていただくことが出来ます。